開発実践ガイド

Makeのクレジットは何に使われる?AI処理と通常処理を分けて見積もる

Makeのクレジットは何に使われる? — AI処理と通常処理を分けて見積もる
目次
かがり

4つのモジュールなら4クレジット……と思ったのに、AIの料金も別? 何を足せばいいのよぉ!

ロコ

まずAIの接続方法を見よう。自分のAIアカウントにつないでいるなら、そちらの請求も別に数えるんだよ。

クレジットは、置いたモジュールの個数ではなく、実際に動いた操作から数えます。AIを加えると文章の長さや接続方法でも消費が変わるので、まずどこへ支払う構成かを確かめましょう。

Makeが用意するAI接続と、自分のOpenAIやAnthropicなどのアカウントを使う接続では、請求の見方が変わります。自分の接続なら、Makeのクレジットとは別にAI事業者からの利用料金も数えます。

予算は、通常処理のクレジット、AI処理で増えるクレジット、外部AI事業者の料金に分けます。エラーや再試行で増えた分は、それぞれの内訳に含めて記録すれば、二重に足さずに済みます。

通常の処理は、実際に動いた操作から数える

Make公式ヘルプでは、通常のアプリは原則として1回の操作が1クレジットです。たとえば、1件のデータに次の処理を行うとします。

  1. Google Sheetsから1行読む
  2. データを加工する
  3. 別のアプリへ1件登録する

各処理が通常の1クレジット対象で、それぞれ1回だけ動くなら、1件あたり約3クレジットです。1,000件なら約3,000クレジットが基準になります。

ただし、ルーターや一部のエラー処理など、クレジットを数えない機能もあります。反対に、高度な機能には1操作で複数クレジットを使うものがあります。モジュールの見た目の個数だけで決めず、各モジュールの表示と実行履歴で、実際に何回動いたかを確認しましょう。

一度に複数件を取得する場合も、モジュール数だけでは足りません。たとえばトリガーが1回の確認で10件を返し、その後の通常モジュール3個が各10回動くなら、操作数は1+10×3=31です。すべて1操作1クレジットという仮定なら31クレジットで、4個のモジュールだから4クレジット、とはなりません。これはMake公式の操作数の説明に沿った計算例です。

既存の実行を調べるときは、シナリオのHistoryから対象の実行を選び、Detailsを開きます。各モジュール上の白い吹き出しを開くと、操作ごとに処理したデータのまとまり(bundle)をたどれます。シナリオ名の横でクレジット表示を有効にすると、操作数と消費を並べて見られます。取得件数、後続の実行回数、クレジットがつながれば、月間件数へ広げる前提を確かめられます。

AIの接続方法で、支払う先が変わる

Makeが用意するAI接続を使う場合

Make側のAI接続では、操作数に加え、入出力トークンや選んだモデルによってクレジットが増えます。トークンは、AIが文章を処理するときの単位です。

AIエージェントやAIツールでこの方式を選ぶと、基本の操作分とAIトークン分のクレジットを使います。短い質問に短く答える処理と、長い文書から長文を作る処理では、実行回数が同じでも消費が違ってきます。

自分のAI事業者アカウントを接続する場合

有料プランには、自分のOpenAIやAnthropicなどの接続を使えるAI機能があります。この場合、Make側は操作に応じてクレジットを使い、AIのトークン料金は接続先の事業者へ直接支払います。

Make側の費用 = プラン料金 + 追加クレジット購入額等
AI側の費用 = 入力トークン数 × 入力単価 + 出力トークン数 × 出力単価 + その他の従量料金
合計 = Make側 + AI側

AI側の単価が100万トークンあたりなら、計算するトークン数をそれぞれ100万で割ります。キャッシュの読取・書込に別単価がある場合は、そのトークンを通常入力と分け、同じ量を重ねて計上しないようにしてください。

Makeの画面だけでは、この外部AI側の請求を見落とします。接続先の使用量画面も、同じ期間で見るようにしましょう。

エージェントは、呼び出したツールや知識の処理も含める

AIエージェントへ一つ質問を送っても、裏でツールを呼んだり、登録された知識を処理したりすることがあります。エージェント本体の実行だけを数えると、その分が抜けてしまいます。

Make側のAI接続でエージェントを1回実行する場合は、基本の1操作分にAIトークン分が加わります。チャットからツールを呼べば、そのツールの操作分も増えます。PDFやDOCXを知識として登録する処理では、ページ数や埋め込み用トークンなども関係します。

「月に100回質問するから100クレジット」とは限りません。よく使う質問で、ツールが何個動き、どれだけ長い入力を渡したかを実行履歴で見てみましょう。

1,000件を処理する計算例

自分のAI事業者アカウントを接続し、次の4処理を行うシナリオを考えます。以下は条件を置いた計算例で、実測ではありません。

1. データ取得
2. AIへ送信
3. 結果を整形
4. 保存

すべてMake側で1操作1クレジットとして数え、各処理が1回ずつ動くなら、1件の基準は4クレジットです。

4クレジット × 1,000件 = 4,000クレジット

ここへ外部AI事業者のトークン料金を足します。さらに、初回分へまだ含めていない5%の再試行を見込むなら、50件分を追加します。

4クレジット × 50件 = 200クレジット

この条件では、Make側は約4,200クレジットと見積もれます。外部AI側にも、再試行で実際に使う分を含めます。

Make側のAI接続を使う場合は、AI部分の消費がトークン量で変わるため、この4,000という固定計算をそのまま使えません。少量を実行して、実際の消費を確かめる方が予算に近づけます。

まず100件で、1件あたりの消費を調べる

AIを含む自動化なら、最初から月1万件を理論値だけで見積もるより、普段に近いデータで小さく動かすのがおすすめです。

  1. 本番に近いデータを100件用意する
  2. シナリオを実行する
  3. 実際のクレジット消費を確認する
  4. 外部AIを使う場合は同期間の利用額を確認する
  5. エラーと再試行件数を記録する
  6. 1件あたりの実費を出す
  7. 月間予定件数へ掛ける

仮に100件で520クレジットなら、平均は1件5.2クレジットです。月1万件の基準は5.2万クレジットになります。これは計算例なので、自分の履歴の数字へ置き換えてください。

測定値にすでに含まれた再試行は、もう一度足す必要はありません。測定時より失敗が増えそうな分や、入力が長くなる分など、条件が変わるところだけ追加で見積もります。

かがり

100件で520なら、1万件もそのまま100倍でいいのね?

ロコ

まずは基準にできるね。ただ、長い文書や失敗した分がその100件に入っていたかも見ておこう。

100件がすべて短い文章なら、普段の長い文章や、ツールを複数回使う依頼も別に記録します。また、100件を投入して80件しか使える結果にならなかった場合、520÷100=5.2は投入一件あたり、520÷80=6.5は完成一件あたりの消費です。この仮の例では、月に何件を「完成」させたいかで必要枠が変わります。月間予算を作るときは、投入件数と正常完了件数のどちらで割った数字かを添えてください。

必要な量が見えたら、料金ページでプランを比べる

2026年10月3日確認時点では、Makeの無料プランは月1,000クレジットでした。有料プランはクレジット量と月払い・年払いによって表示額が変わります。

同日の料金ページでは、10,000クレジット/月を月払いにした例として、Coreが12米ドル、Proが21米ドル、Teamsが38米ドルと表示されていました。

この金額は確認日の表示例です。税、地域、支払い周期、選ぶクレジット量で変わり得るため、計算した必要量を料金ページへ当てはめ、契約直前の額を確認しましょう。

月ごとの記録を残して、増えた理由を探せるようにする

費用項目 何を記録するか
Make基本料金 契約プランと支払い周期
Makeクレジット 月の実消費と追加購入分
外部AI料金 OpenAIなどの実請求額
再試行・異常処理 上記の内訳として、失敗件数と消費クレジットを記録

全部を一つの「AI自動化費」にまとめると、何が増えたか分かりにくくなります。表のように残せば、件数が増えたのか、AIへ送る文章が長くなったのか、失敗が増えたのかを調べやすくなります。

予算を超えそうなら、毎回の処理を見直す

消費が多いときは、いきなりAIモデルを変える前に、シナリオの実行履歴を見てください。

  1. 不要なモジュールが毎回動いていないか
  2. フィルターを早い段階へ置けないか
  3. 同じデータを何度も読み書きしていないか
  4. エラーによる再実行が増えていないか
  5. AIへ渡す文章が必要以上に長くないか
  6. AIを使わなくても処理できる部分がないか

通常処理が多ければ、不要なモジュールの実行を減らすところから。AI部分が大きければ、必要な文章だけを渡し、回答の長さも見直します。まず接続方法を確かめて100件の消費を記録すると、どこから直すとよいかが見えてきます。

まとめ

  • 通常のMakeモジュールは原則として1回の操作につき1クレジットだが、一部の高度な機能は固定で複数クレジットまたは従量制になる
  • Make側のAI接続では操作回数に加えて入出力トークンなどでクレジットが増えるため、モジュール数だけでは予算を出せない
  • 自分のOpenAIやAnthropicなどの接続を使う場合、Make側は主に操作数でクレジットを使い、AI事業者のトークン料金は別請求になる
  • 通常処理とAI処理のクレジット、外部AI料金を区別し、再試行分は各項目の内訳として一度だけ計上する
同じテーマから