開発解説
AIエージェント基盤をどう選ぶ?業務フロー・実行権限・運用負担で比較

目次
n8n、Dify、Make、Zapier、Copilot Studio……。できることも料金の単位も違うの!? もう選べないわよぉ!
候補が多いよね。まず一つの仕事で、AIに任せるところと人が止めるところを決めよう。
たとえば問い合わせの返信案はAIに作らせても、お客さんへ送る前には人が確認したいかもしれません。AIエージェントの基盤は、そんな業務の境目を実現できるかで比べます。モデルの性能や接続できるサービスの数だけでは決められません。
最初に、自動化する処理、承認する人、失敗を見つける人、止める方法を書いてみてください。その業務に合わせて、n8n、Dify、Make、Zapier、Copilot Studioから候補を絞ります。この記事では、各基盤の得意な処理と、料金を比べるときの数え方を整理します。
5基盤の違い
まず、何を作る基盤なのかを比べましょう。SaaSは、GmailやSlackのようにネット経由で使うサービスです。そうしたサービス間をつなぐ自動化と、文書を探して答えるAIアプリでは、欲しい機能が変わります。
| 基盤 | 強い用途 | 人の承認 | 配備 | 主な課金単位 |
|---|---|---|---|---|
| n8n | API・SaaS連携、複雑な処理手順、AIツール実行 | AIツール呼び出し前に人の確認を設定可能 | クラウド / 自社運用 | ワークフロー実行、AIクレジット |
| Make | 画面上で組むSaaS自動化、分岐・データ変換 | 条件分岐、通知、フォーム等を組み合わせて確認フローを構成 | クラウド | クレジット |
| Zapier | 多数のSaaS連携、短く組みやすい業務自動化、エージェント | Human in the Loopの承認要求あり | クラウド | タスク(移行後はモデル階層別倍率) |
| Dify | LLMアプリ、RAG、ナレッジ、AIワークフロー | 高影響操作の承認方法は実装する処理ごとに確認 | クラウド / Communityの自社運用 | ワークスペース、メッセージクレジット、トリガー等 |
| Copilot Studio | Microsoft 365、Power Platform、組織管理下のエージェント | エージェントフローに人の確認・承認操作あり | Microsoftのクラウド | Copilotクレジット |
「Gmailを読んでSlackへ通知する」仕事なら、文書検索の仕組みまでそろえる必要はありません。一方、RAGのように社内文書を検索し、その内容を使って回答する仕組みが主役なら、ナレッジ管理を先に見たいところです。表の機能数を数えるより、自分の仕事に近い列から読んでみてください。
n8nは外部操作を細かく組みたい場合に向く
料金・提供条件の参照範囲:n8n・Makeは2026年9月20日、Zapierの価格と旧Agents枠は9月の記録、Agents移行条件は10月19日の公式案内です。以下の金額はこの記録に基づく比較例なので、契約時は記事末の公式リンクで請求期間・利用枠を照らしてください。
n8nは、ノードという処理の部品をつないで使います。Webhookで依頼を受け、APIやSaaS、LLM、データベースへ順に渡す、といった一連の手順を作れます。クラウドの基本料金で数えるのはワークフローの実行回数で、部品を何個置いたかではありません。
年払いの月額換算と実行枠を並べると、次のようになります。
| クラウドプラン | 月額相当 | 含まれるワークフロー実行数 |
|---|---|---|
| Starter | €20/月 | 2,500/月 |
| Pro | €50/月 | 10,000/月 |
参照した案内では、どちらもワークフロー内のステップ数に上限を設けない案内でした。手順が長い業務では、操作数ごとに課金する基盤との違いが出ます。
メール送信やデータベース更新の前には、Human-in-the-loopを設定できます。人の確認を処理の途中へ入れる機能で、Gmailなどの対応サービスから承認を求め、返事があるまでエージェントを止められます。読み取りは自動、送信は承認後、という分け方をしたいときに確かめたい機能です。
次に当てはまるなら、n8nを候補へ入れてみてください。
- APIやWebhookを細かく扱いたい
- 通常の自動化とAIエージェントを同じワークフローに置きたい
- 影響の大きいツール実行だけ人の承認を挟みたい
- 自社運用も候補にしたい
- 1回の実行に多くのステップがある
自社運用も選べますが、その場合は更新やバックアップ、認証情報の管理、TLSによる通信の保護、監視、障害復旧を自分たちで担います。サーバーを用意できるかだけでなく、運用を続ける担当者まで決めておきましょう。
Makeは画面上のシナリオとクレジット単位で考える
Makeも画面上で処理をつなぎます。一連の流れをシナリオ、処理の部品をモジュールと呼び、routerやfilter、If/Else、Mergeなどで分岐や合流を組みます。料金は主にモジュール実行で消費するクレジットから考えます。通常の操作は多くの場合1クレジットですが、AIを使う高度な処理では増えることがあります。
Make公式ブログの料金欄にある、10,000クレジット/月の表示例です。
| プラン | 公式ブログの月額表示例 |
|---|---|
| Core | $12/月 |
| Pro | $21/月 |
| Teams | $38/月 |
Freeは1,000クレジット/月です。表の12/21/38ドルは、公式ブログが示した表示例です。
一方、料金ページでは年払いが初期表示され、同じ10,000クレジット/月の欄がCore $9、Pro $16、Teams $29となる場合があります。
請求期間と配賦の違いは、Makeの公式ヘルプに基づき次のように分けます。
| 契約 | 支払いとクレジットの割り当て |
|---|---|
| 月払い | クレジットを毎月割り当てる |
| 年払いのPro/Teams | 年額を先払いし、月ごとの配賦ではなく年間枠を使う |
| 年払いのCore | 年額を先払いするが、クレジットは月ごとに割り当てる |
月12/21/38ドルと月換算9/16/29ドルは、そのまま入れ替えて比べられる数字ではありません。契約時は請求期間とプラン、使えるクレジット枠、追加分の扱いをそろえてください。年払いなら、年間でまとめて使える枠なのか、毎月割り当てられる枠なのかも予算に関わります。
承認を組む場合は、If/Elseで自動処理と人の確認が必要な処理を分け、Slack通知や入力手段をつなぎます。公式ヘルプには、経費の金額で分岐し、確認が必要な経路でSlackへ通知する例があります。通知するだけで後続処理が止まるかどうかは、自分のシナリオで確かめましょう。
Makeを試す理由は、専用の承認機能の名前だけでは決まりません。次のような仕事に合うかを見ます。
- 画面上で処理の分岐を追いたい
- モジュール単位のクレジットを見積もれる
- SaaS間のデータ変換が多い
- チームの役割設定やシナリオテンプレートを使いたい
1件で10個のモジュールが動くなら、1,000件の料金もモジュールの実行数から見積もります。シナリオを1,000回動かすから1,000クレジット、と数えないようにしてください。
ZapierはSaaS連携と承認を短い経路で組みやすい
Zapierでは、きっかけとなるトリガーから処理をつないだ自動化をZapと呼びます。フォームの受信からCRMへの登録、担当者への通知まで、よく使うSaaSをつなぎたいときの候補です。料金の共通単位はタスクですが、通常の操作、AIステップ、MCPなどで消費数が変わります。
参照した料金表示では、プランの入口は次のようになっています。
- Professional:年払いの月額換算で$19.99から
- Team:年払いの月額換算で$69から
- Free:月100タスク
有料プランの2つの金額は、公式のタスク解説に年払いの開始価格として記載されています。12か月分の基本料金に換算すると、それぞれ$239.88、$828です。月払いの請求額、必要なタスク枠、追加利用分は別に確認し、この月額換算を毎月払いの価格として扱わないようにします。
旧Zapier Agentsの記録では、Free月400、Pro月1,500アクティビティ、Pro年$400(月換算$33.33)という別枠がありました。これは旧契約の情報です。
参照した公式移行案内では、AI by Zapierへ移行後は別のAgentsサブスクリプションを管理せず、Zapierのタスクへ統合します。Agentsの停止日はまだ設定されていないため、旧環境が即時停止したとも、新規導入でも旧枠を選べるとも扱いません。移行後のAIステップはStandardが1倍(ツールなし)、Advancedが3倍、Premiumが5倍で、成功したツール呼出しも同じ倍率で加算します。自分の契約とモデル階層を確かめて見積もります。
生成したメールをすぐ送らずに確認したいなら、組み込みのHuman in the Loopを挟みます。確認者が承認するか修正するまで、後続のステップを待たせる構成にできます。
次のような業務なら、Zapierから試すと必要な流れを描きやすいでしょう。
- SaaS連携を素早く組みたい
- メール、CRM、フォームなど一般業務が中心
- AI生成物を公開・送信する前に承認したい
- チームで接続設定やZapを共有したい
費用の確認では、AIモデルによる倍率も忘れずに見ます。AI by Zapierには、モデルの種類で1ステップのタスク消費数が変わる機能があります。画面上のステップ数だけを足して請求額にしないようにしましょう。
DifyはRAG・LLMアプリ中心なら先に見る
Difyは、AIへ渡す情報と回答の作り方を組み立てたいときに見たい基盤です。LLMノードとナレッジ検索のほか、文中から必要な値を取り出すパラメータ抽出、繰り返し処理、決まった形式へ整える構造化出力などを組み合わせます。
公式チュートリアルには、入力文書を読み、プラットフォームを分類し、LLMで回答を作り、構造化出力へ整えて公開する一連の例があります。社内文書を使った回答や、入力内容に応じて処理を変えるAIアプリの流れを考える参考になります。
Cloud版の年払い表示では、年額と主な利用枠を次のように確認できます。
| プラン | 年額 | 主な枠の例 |
|---|---|---|
| Professional | $590/ワークスペース | 5,000メッセージクレジット/月、メンバー3人、アプリ50件 |
| Team | $1,590/ワークスペース | 10,000メッセージクレジット/月、メンバー50人、アプリ200件 |
| Community | 無料 | オープンソースライセンス条件に従う自社運用 |
回答生成やRAG、ナレッジ管理、チャットアプリが中心なら、Difyを先に試してみてください。ただし、銀行振込や権限変更、外部公開まで任せる場合は、人の承認をどこへ入れるかも必要です。導入前の試行で、必要な操作を承認前に止められる構成かを確認します。
ワークフローを作れるからといって、すべての外部操作に標準の承認機能が付くと考えず、使う処理ごとに確かめましょう。
Copilot StudioはMicrosoft 365の統制を使う組織向け
社内のアカウントや文書がMicrosoft 365、Teams、SharePoint、Dataverse、Power Platformにそろっているなら、Copilot Studioを比較に入れましょう。既存の組織アカウントと管理機能に合わせやすく、新しい基盤だけ別管理にする負担を考えられます。
処理の流れを作るAgent flowでは、次の機能を組み合わせます。
- AIアクション
- 人による確認・承認や追加情報の要求(human-in-the-loop)
- ループや分岐などの制御
- Microsoft 365コネクタ
- サードパーティ製コネクタ
- カスタムコネクタ
日本向け料金ページでは、単体版Copilot Studioの25,000 Copilotクレジットパックが¥29,985/月です。事前購入と従量課金もあり、単体エージェントの利用にはAzureサブスクリプションが必要です。
Copilotクレジットは「エージェントを1回実行すると1クレジット」とは限りません。Microsoftの料金表では、生成回答、エージェントアクション、エージェントフローアクションなどで消費率が異なります。
組織アカウント、管理者設定、Power Platformの接続、社内承認までまとめたいなら、その一体感に使い道があります。個人の小さな自動化では、管理と料金の仕組みを覚える負担に見合うかを考えてください。
つなげたいサービスはあるのに、料金の数え方が全部違うの!?
まず同じ仕事を一つずつ分けよう。どの処理で料金が増えるか、そこから比べられるんだよ。
同じ業務で選ぶと差が見える
ここまで読んでも迷うなら、実際に任せたい仕事を一つ決めて比べるのが早いです。例として「問い合わせを読み、返信案を作り、人が承認してから下書きへ保存する」流れを考えます。
作りたい手順を、次の7段階に分けます。
- メール受信
- 顧客ID取得
- FAQ/ナレッジ検索
- LLMで返信案作成
- 人が承認
- Gmailへ下書きを保存
- 実行ログを残す
この手順を各基盤で組むと考えると、次の違いを見られます。
| 観点 | n8n | Make | Zapier | Dify | Copilot Studio |
|---|---|---|---|---|---|
| SaaS連携が中心 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ |
| RAG/ナレッジが中心 | ○ | △ | △ | ◎ | ○ |
| AIツール実行前の明示的な承認 | ◎ | フロー内に設計 | ◎ | フロー設計を要確認 | ◎ |
| 自社運用 | ○ | - | - | ○ | - |
| Microsoft組織の統制 | △ | △ | △ | △ | ◎ |
| 主な課金単位 | 実行回数 | クレジット | タスク/モデル階層別倍率 | ワークスペース/クレジット | Copilotクレジット |
「◎」は、公式機能を使って今回の用途を組みやすいという整理です。性能ベンチマークの結果ではありません。
たとえばFAQをどう探すかが主な悩みならDify、外部SaaSへどう渡すかが悩みならn8n、Zapier、Makeを先に見ます。社内の文書と承認がMicrosoft 365にあるならCopilot Studioから確かめる、という絞り方です。
承認の通知が届いたら、勝手には進まないと思っていいのよね?
通知だけでは分からないんだよ。まだ承認しない場合と、差し戻した場合に、下書きの保存先が変わらないか確かめよう。
比較用の問い合わせで、承認を保留する、差し戻す、承認する、の3通りを試します。保留と差し戻しでは後続の保存・送信が動かず、承認した一件だけが指定先へ進むことを、実行ログと保存先の両方で見ましょう。今回の例の完成先はGmailの下書きです。下書き保存まで許可した流れが、そのまま顧客への送信まで進まないことも確認します。通知は来るのに後続処理が先に動くなら、料金比較を続ける前に確認待ちの経路を直してください。
問い合わせ月1,000件ならn8nとZapierを残す
上の7段階を、月1,000件の問い合わせで使うとします。FAQはすでに検索APIがあり、新たなナレッジ基盤は作らず、社内にMicrosoft 365の統一運用もない条件です。完成先は承認済みの返信案を置くGmail下書きで、自動送信はしません。公式仕様に条件を当てた設計例で、5基盤へ実装した結果ではありません。
この条件なら、n8nを第一候補、Zapierを比較相手にします。n8nはAPI接続とAIツール実行前の承認を同じ流れへ置け、ZapierはRequest Approvalで後続ステップを待たせる公式機能があります。Makeでも組む余地はありますが、通知と停止・再開の経路を組み合わせる必要があります。今回の必須条件を満たす経路が公式に明示されている2候補から着手します。Difyのナレッジ機能とCopilot Studioの組織管理は、この条件では選択を決める理由になりません。
n8nの承認機能は、指定したAIツールを実行前に止め、承認なら実行、拒否なら取消にできます。返信案を作る前ではなく、Gmailへ保存するツールの直前に人の確認を置けば、作成済みの文面と保存先を一緒に見せる設計にできます。ZapierではRequest Approvalの後ろへGmail下書き保存を置きます。送信操作を流れへ加えないことも、今回の設計で決められます。
料金も、この仕事の単位へ直します。2026年10月25日のn8n公式料金では、Starterは年払い月換算€20で月2,500実行です。1件を1ワークフローで処理し、本処理1,000回に再試行用100回を予算として足すなら月1,100回。枠内に収まり、年の基本料金は€240です。実際の再試行が100回で済むという測定ではありません。分割した別ワークフローや追加の起動を使う場合は、その実行も数えます。
Zapierは、同じ1,000件でも1,000タスクにはなりません。後述の「通常操作4回+Advanced AIステップ2回」の仮定なら月10,000タスクに、承認・ログなどの対象操作分を足して必要枠を探します。開始価格$19.99だけでは、この業務の請求額を決められません。外部モデル費と承認・ログを含めた実行単位が分かったところで両候補の予算を確定します。ここではn8nの基本枠に収まる構成まで示せるため、まずこの案を試す判断になります。
月間件数を各課金単位へ変換する
処理件数が同じでも、請求の数え方は基盤ごとに違います。「月1万件だから同じ枠で足りる」と考えず、一件の中身を分けてみましょう。
計算例として、次の処理を一組として月10,000件行うとします。
- ワークフロー開始:1回
- SaaSの操作:4回
- LLMの呼び出し:2回
- 人の承認:1回
n8nでは、ワークフローの完了回数を実行数として数えます。月10,000件の処理なら、まず月10,000回の実行数が基準です。Proの月10,000回枠と比べられますが、AIクレジットと外部LLMのAPI料金は別に確認します。
Makeでは、実際に実行するモジュール操作をクレジットへ換算します。4つの操作だけでなく、LLMや分岐で何クレジット消費するかを実際のシナリオで確認します。
Zapierでは、通常の成功アクションとAI by Zapierのステップを分けます。説明用にAIステップをAdvanced(3倍)、ツール呼出しなしと仮定すれば、AI呼出し2回で6タスク、通常SaaS操作4回が各1タスクなら合計10タスク/件、月10,000件で100,000タスクです。承認・ログ等が別の課金アクションなら追加します。AI内で成功ツールをk回使う1実行は(1 + k) × モデル倍率で計算し、同じ操作を通常SaaS操作へ二重計上しません。旧Agentsのactivities枠へこの例を換算せず、契約ごとの対象操作を確認します。
Difyでは、メッセージクレジット、トリガーイベント、ワークフロー実行、外部モデルのAPI費を分けて計算します。
Copilot Studioでは、エージェントアクション、生成回答、Agent flowなどで消費するCopilotクレジットが異なります。実際のワークフローを公式の見積ツールに入力して試算します。
先に一件の処理で何を消費するかを確かめれば、月額プランの枠と比較できます。そこへ失敗や再試行の分、外部モデルのAPI費を加えて、運用したときの予算へ近づけましょう。
PoCで確認する項目
候補が2つになったら、PoCとして同じ条件の20〜50件を処理してみます。PoCは、本格導入前に実務へ合うかを小さく試すことです。次の表へ、自分たちの結果を残します。
| 項目 | 候補A | 候補B |
|---|---|---|
| 正常に完了した件数 | 実測 | 実測 |
| 人の承認まで到達した件数 | 実測 | 実測 |
| 二重送信 | 実測 | 実測 |
| 再試行後の重複 | 実測 | 実測 |
| 1件あたりの課金単位 | 実測 | 実測 |
| 外部LLMのAPI費 | 実測 | 実測 |
| エラー原因を追えたか | 可/不可 | 可/不可 |
| 停止から復旧するまで | 実測 | 実測 |
この表は記録用であり、比較試験の結果ではありません。公式紹介の数値を埋めず、実際の完了件数と費用、エラーを調べる手間を記録してください。
ダミーの問い合わせで、承認と再試行を動かす
外部サービスへ接続する前に、まず「承認前には保存せず、再試行でも増えない」流れを手元で動かしてみましょう。実行用JavaScriptとテストを同じフォルダーへ保存し、Node.js 22以降で次を実行します。追加パッケージやAPIキーは不要です。
node agent-inquiry-simulation.mjs
node --test agent-inquiry-simulation.test.mjs
教材には、架空の「請求書の送付先を確認したい」という問い合わせと、固定の受付下書きを入れています。実行結果のproposal.recordが確認対象で、承認した内容のハッシュが一致した場合だけ模擬保存先へ進みます。
| 実行する順番 | 出力のstatus | 模擬保存先の書込件数 |
|---|---|---|
| 承認待ち | blocked | 0 |
| 拒否 | blocked | 0 |
| 承認後に保存し、応答だけ失う | simulated acknowledgement lost after commit | 1 |
| 同じ承認で再試行する | reused | 1 |
| さらに同じ要求を繰り返す | reused | 1 |
2026年10月25日のローカル実行では、この順番で0件→1件→1件を確認し、関連する8テストが通りました。承認後に下書きを変えた場合は停止し、同じ問い合わせIDで別の内容を保存しようとすると競合になります。
ここでの保存先はメモリー内にあり、終了すると消えます。承認値も動作を説明するための固定値です。Gmailや各基盤への接続、人の認証、再起動後・同時実行時の重複防止、AIの分類・文章品質を確かめた結果ではありません。詳しい実行手順と範囲を読み、次は候補の基盤でも同じケースを再現できるかを比べてください。
用途別の選び方
APIやSaaSを細かくつなぎ、self-hostedも候補
まずn8nで、必要なAPI接続と人の確認を組めるか試しましょう。一件の手順が長い場合は、ワークフロー実行回数で数える料金が合うかも見ます。
画面上で業務の自動化を素早く組みたい
MakeとZapierで同じ流れを組んでみてください。画面上での追いやすさに加え、Makeのクレジット、Zapierのタスクと承認機能が、実際の手順にどう合うかを比べます。
社内文書検索・RAG・LLMアプリが中心
Difyで、必要な文書を探して回答へ使う流れから試しましょう。外部操作も加えるなら、その操作の前で止める承認方法を別途確かめます。
Microsoft 365を会社標準として使っている
Copilot Studioで、既存の組織アカウントとPower Platformコネクタを使えるかを先に見ます。Agent flowと人による承認を、社内の管理方法に合わせられるかが選ぶ理由になります。
まだ用途が曖昧
まず一つの仕事を選び、読み取るだけ、下書きを作る、外へ送信する、のどこまで任せるかを決めましょう。外部へ作用する段階まで進むなら、承認と再試行、重複防止、緊急停止も同時に必要になります。
本番化を止める条件
候補を決めたあとも、外部更新を任せる前には次を確かめます。できない項目があれば、読み取りや下書きまでに範囲を戻し、解決してから本番運用へ進みましょう。
- 必要な操作をコネクタやAPIで実行できる
- 認証情報の権限を必要な範囲に絞れる
- 影響の大きい操作の前に承認を挟める
- タイムアウト後の再試行を制御できる
- 二重送信・二重更新を防げる
- 実行ログから失敗したステップを追える
- ワークフローや認証情報を緊急停止できる
- 1件あたりの課金単位と外部モデルの費用を追える
まずは、任せたい仕事を処理ごとに書き分け、どこで人が確認するか印を付けてみてください。それを同じ条件で2基盤へ組み、完了できたか、失敗を追えるか、一件いくらかかるかを比べます。自分たちの業務で判断する材料がそろってから、運用する基盤を決めましょう。
まとめ
- SaaS間の処理自動化を中心にするならn8n・Make・Zapier、RAGやAIアプリを中心にするならDify、Microsoft 365の組織統制を重視するならCopilot Studioが比較の起点になる
- n8n、Zapier、Copilot Studioは人の承認を明示的に挟む公式機能があり、高影響アクションの前で止めやすい
- 課金単位はn8nのworkflow execution、Makeのcredit、Zapierのtask(旧Agentsのactivityとは区別)、Difyのworkspace・message credit、Copilot StudioのCopilot Creditで異なる
- 同じ1,000件でもステップ数やAI呼び出しで消費単位が変わるため、月額だけではなく代表フローを各課金単位へ換算する
- cloud/self-hosted、承認、ログ、retry、停止の責任まで含めて選ぶ
参照した情報源(16件)
- Dify — Pricing ↗Dify
- n8n — Pricing
- Make — Pricing
- Zapier — Pricing
- Microsoft — Copilot Studio pricing ↗Microsoft
- OpenAI — API Pricing ↗OpenAI
- n8n — human-in-the-loop for AI tool calls ↗n8n
- Zapier — Human in the Loop
- Dify — Pricing
- Microsoft — Copilot Studio pricing
- Microsoft Learn — Agent flows
- Migrating from Agents to AI by Zapier ↗Zapier
- AI by Zapier model tier pricing ↗Zapier
- n8n — Gmail Message Operations(Human-in-the-loopの承認)
- Make — AI automation toolsのPricing表示例
- Make — Monthly and annual subscriptions
用途に合う候補の公式条件を確認する
本文の判断条件に合う候補です。契約・利用前に、現在の提供範囲、料金、利用枠、解約・更新条件を公式ページで確認してください。
掲載内容は確認日時点の情報です。購入・申込条件はリンク先の最新表示で確認してください。





