クリエイティブ分析

WanGPの始め方:公式手順で最初の動画を保存するまでの準備

WanGPとは? — 低VRAMでWan・H3・LTXを動かすローカル画像・動画生成環境を解説
目次

WanGPは、複数モデルの導入経路と低VRAM設定を一つのWeb UIへまとめたローカル生成環境です。旧名はWan2GPで、今はWanの動画に加え、画像・音声・TTSも扱います。

かがり

もう準備だけで疲れたぁぁ! 動画を一本作りたいだけなのに、環境もモデルも設定も多すぎるのよぉ!

ロコ

まず使うモデルを一つ選んで、対応表と手元のVRAMを見よう。保存した一本まで確かめるよ。

ノードを組むより、対応したモデルを選んでまず生成したい人には試す理由があります。ただし、公式の「6GBから」は一部モデルの実行下限です。6GBのGPUならどの動画も快適に作れる、という意味ではありません。この記事は公式資料に基づく導入案内です。実画面や完成動画を伴う実機検証はまだなく、生成時間・最大VRAM/RAMも未測定です。まず最初の一本を作る手順を示し、その後でモデルの選び方を説明します。

モデルを一つだけ選び、1本生成して判断する

6〜8GB級のGPUなら、最初は公式Getting Startedが挙げるWan 2.1 T2V 1.3Bで一本作ってみましょう。本命がWan 2.2やH3でも、この軽い構成で画面、取得、保存先まで通せると、後で止まった場所を分けやすくなります。以下は公式手順に沿う試し方で、実機で成功を確認した記録ではありません。

生成前に、本体とモデルの利用条件を読みます。無料で手元の一本を試す場合と、販売・サービス化では条件が違います。

公式インストールガイドで自分のGPUの節を選び、WanGP専用の環境を用意します。現行ガイドではGTX 10系とRTX 20〜50系でPython・PyTorch・CUDAの組み合わせが分かれています。既存ComfyUIのPythonへ依存を上書きせず、古いGPU用の準備に新しいGPU向けwheelを混ぜないようにしましょう。

導入前にGPU名、専用VRAM、システムRAM、保存ドライブの空きを書き留めます。モデル本体だけでなく、テキストエンコーダーやVAEなどの追加取得があるため、最初に表示される取得対象と合計容量を見てからダウンロードしてください。この記事では取得総量を実測していません。

  1. WanGPの環境を有効にしたターミナルでpython wgp.pyを実行し、表示されたローカルURLを開きます。別端末からの接続を使わない最初の試行では--listenは付けません。
  2. 生成パネルのモデル選択ドロップダウンでWan 2.1 T2V 1.3Bを選びます。初回に取得する重みの名前と保存容量を見ます。python wgp.py --t2v-1-3Bでこの小型モデルのモードを起動する公式の入口もあります。
  3. PromptへA cat walks slowly in a garden. The camera stays still.と入れます。猫が歩く動きだけに絞り、追加の画像・LoRA・音声は使いません。
  4. 詳細設定でFramesを49、Stepsを20にし、seedを固定します。解像度と量子化は選んだモデルの初期値を残します。
  5. Generateを押し、出力欄に出た動画を再生します。猫の数、足のつながり、歩く方向、固定カメラを見ます。生成した動画はダウンロードし、別のプレーヤーでも開きます。

Web UIで動画を取得するほか、保存場所はConfig → Outputsで確認します。一本作れたら、Export Settingsで設定をJSONへ残します。この記事には実機から書き出した設定JSONや完成動画の配布物はありません。手入力のJSONを成功した試行の設定として扱わず、生成できた画面から書き出してください。入力画像も一緒に持ち運びたいなら、Save QueueでZIPを保存できます。たとえばfirst-cat.zipを残した場合、次の二行で、キューの検査と実際の再生成を分けられます。

python wgp.py --process first-cat.zip --dry-run
python wgp.py --process first-cat.zip --output-dir ./first-cat-output
かがり

検査が通っても、作れるかどうかはまだ分からないのね。

ロコ

キューを読めることと、GPUで最後まで生成できることは別なんだよ。まず一本だけ動かして、保存した動画まで見よう。

最初の--dry-runは、生成せずに入力キューを検査します。エラーがあればそこで止め、内容を直してから次の生成コマンドへ進みます。検査の成功だけでは、必要メモリや動画の完成までは確かめられません。生成が終わったらfirst-cat-outputの動画を開き、画面のプレビューだけでなく、保存したファイルも再生できるか見てください。

ファイルができても、猫が動かない、足が崩れる、カメラが大きく動くなら、容量以外の条件も見直したいところです。同じモデルとseedを残して一項目ずつ変えれば、生成できる設定と、使いたい映像になる設定を分けて探せます。

メモリ不足なら、同じ1.3Bのままフレーム数や解像度を下げて試します。保存まで通った後にWan 2.2やH3へ一つずつ替え、最大VRAM・RAM・時間と動画を比べましょう。RAMが埋まり、ディスクへの退避が続くならモデルや尺を戻します。大量のキューを積むのは、まず一本で待てる条件が見つかってからでも遅くありません。

実測を追加するときは、この一本の動画、書き出したJSON、WanGPのcommit、モデルファイル名、GPU・ドライバー、解像度・量子化・メモリプロファイル、生成開始から保存までの時間、最大VRAM/RAMを同じ試行で残す必要があります。32GB GPUで成功しても、6〜8GBでの成功とは分けて記録します。

動画だけでなく、画像や音声も同じ画面で扱える

公式READMEでは、次のようなモデルが案内されています。たとえば動画を作ってから音声を用意する場合も、同じ環境の中で作業を広げられます。

モデルを替えても、キューや生成物の整理を共通の画面で扱えるのが便利なところです。LoRA、アップスケール、背景除去、マスク編集、API、画面なし実行、Deepyもあります。ただし、一覧に機能があることと、選んだモデルで使えることは別なので、モデルごとに確かめましょう。

分野 例
動画 Wan 2.1/2.2、MiniMax H3、LTX、Hunyuan Video
画像 Qwen Image、FLUX、Krea、Z-Imageなど
音声・TTS Qwen3 TTS、IndexTTS、Chatterbox、Stable Audioなど
補助機能 LoRA、アップスケール、背景除去、マスク編集、キュー
自動化 API、画面なし実行、Deepy

6GBという数字は、使うモデルを決めてから読む

かがり

6GBからなら、私のGPUでも長い動画を作れるかしら?

ロコ

モデルと尺で必要量が変わるんだよ。まず軽いモデルで一本、保存まで通してみよう。

「6GB GPUに対応」と見ると、手持ちのカードで何でも作れそうに感じます。ただ、GPUが対応すること、選んだモデルが収まること、高解像度の動画を待てる時間で作れることは、それぞれ確かめる必要があります。WanGPの6GBという説明は、一部モデルを少ないVRAMで動かせるという意味で読んでください。

先に、作りたいものとモデルを一つ決めましょう。必要なVRAMは、量子化、解像度、動画時間、フレーム数、オフロード、追加モデルでも変わります。同じH3でも、高速化の機能でVRAMが増える場合があり、タイル分割ではピーク使用量を抑えます。モデルを決めると、どの条件を読むべきかが絞れます。

VRAMを節約した分は、RAMと生成時間も確かめる

WanGPは、量子化済みモデル、CPU・システムRAMへの退避、モデル別の最適化を組み合わせてVRAMを節約します。INT8、FP8、GGUF、NVFP4、Nunchakuなどの経路がありますが、どれでも同じGPUやモデルに使えるわけではありません。対応する組み合わせから選びます。

GPUに置く量を減らすと、その分RAMを使い、CPUとGPUの間の転送や読み込みが増えることがあります。生成が遅くなったり、使える高速化機能が変わったりするので、起動できたところで判断を終えない方がよいです。同じ処理で最大VRAM、RAM、生成時間を残し、自分が待てる設定かを見てみましょう。

GPUシリーズへの対応と、モデルの対応を照合する

READMEには、NVIDIAのGTX 10シリーズとRTX 20シリーズ以降、AMDのRDNA 2・3・3.5・4が案内されています。古いGPUを持っている人にも候補が残るのはうれしいところですが、この一覧だけで全機能が動くとは判断できません。

GPU名を見つけたら、次は使うモデルの項目とインストール案内を開きます。GPU、OS、量子化形式、高速化機能が合うかを確かめてください。同じシリーズでも選べる経路が違うため、「カードが載っていた」からもう一歩進めて見ます。

生成を進めたいか、処理の流れを組みたいかで選ぶ

対応済みモデルを選び、既定の低VRAM設定から一本作りたいなら、WanGPを先に試しやすいです。モデルごとの経路とキューがまとまっているので、準備の違いを一から吸収する手間を減らせます。

前処理から出力までを自分で組み替えたいなら、ComfyUIのノード構成が役立ちます。研究実装をカスタムノードで試せる場合もあります。すでに使うワークフローがあるなら残しておいて、WanGPで扱いやすい生成だけを任せてもよいと思います。

見る点 WanGP ComfyUI
始めやすさ モデルを選んで生成しやすい ワークフローを組む必要がある
低VRAM設定 モデルごとの既定構成が多い 自分で構成しやすい
自由度 統合された範囲で使う ノード単位で高い
最新研究実装 対応待ちになる場合がある カスタムノードで早く試せる場合がある
キュー・自動化 標準機能が多い 構成次第

10月の更新では、メモリ管理と出力整理も変わった

ここではREADMEのv18.00(2026年10月11日)までの更新を取り上げます。v17.17はメモリ管理、v18.00はVAEの高速化と作業領域フォルダーを案内しています。VAEは内部表現を実際のフレームへ戻す部分なので、生成の最後で待つ時間やメモリにも関わります。

案件ごとに出力を分けたいなら、Config → Outputsの作業領域フォルダーも見てみてください。生成速度だけでなく、保存した動画を見つけ、次回同じ設定を開くところまでが日々の使いやすさに響きます。公表された速度向上率はGPU・モデル・設定が付いた値なので、手元の待ち時間へそのまま当てはめず、同じ条件で比べます。

Deepyも使うなら、言語モデルのメモリを別に見る

Deepyは生成作業を自動化する機能です。ここまで見てきた画像・動画モデルの低VRAM設定が、自動化に使う大きな言語モデルへもそのまま当てはまるわけではありません。

公式更新には、Deepy Primeの大きな構成を16GB・24GB級のVRAMで案内した例もあります。まず生成モデルだけを使うのか、Deepyも同時に動かしたいのかを決めましょう。後者なら、言語モデルの条件を加えて見積もります。

生成物の販売と、有料サービス化は条件が違う

WanGP本体はCommunity License 2.0で、ローカル利用や会社内部での利用は無料、生成物の販売・ライセンス提供も認められています。ただし、生成物を直接販売したり、独立した納品物としてライセンス提供したりするDirect Output Saleには、合理的なクレジットが必要です。

商品ページやクレジット欄など通常の表示場所に「Made with WanGP」等を記し、技術的に可能なら公式プロジェクトへリンクします。内部利用、無料公開、生成物自体を独立して販売・ライセンスしない内部制作ツールとしての受託利用などは例外です。利用形態は公式ライセンス第6条「OUTPUTS AND CREDIT」で照合してください。

生成物を販売する場合と、WanGPを有料サービスとして提供する場合では条件が変わります。本体の販売、ホワイトラベル化、有料API・SaaS・ホスティング・OEM提供には、別の商用許可が必要です。また、Qwen Image、FLUX、Wanなど、実際に使うモデルと重みの利用条件もそれぞれ確認してください。

既存のPCで、複数モデルを使い分けたい人へ

低VRAMのGPUを持ち、Wan・H3・LTXを使い分けてみたいなら、WanGPでモデル別の準備をまとめられます。量子化やオフロードは既定設定から始め、必要になったらキューや音声へ広げる。そんな進め方に合う候補です。

ノード自体を設計したい仕事や、研究実装を早く取り込みたい仕事には、ComfyUIを残しましょう。手元のPCで最初の一本を保存し、再生でき、待ち時間も受け入れられるかで選びましょう。本記事の手順はその確認の入口です。低VRAMでの完成動画と測定記録は未取得なので、6〜8GB環境での使い勝手を保証する段階にはありません。

まとめ

  • WanGPは旧Wan2GPから発展したローカル生成環境で、動画・画像・音声・TTSを同じWeb UIから扱う
  • 公式の「6GB VRAM」は一部モデルの下限であり、すべてのモデルを6GBで快適に動かせる意味ではない
  • 2026年10月のv18.00ではVAE最適化と作業領域フォルダーが追加され、設定と生成後の整理も選ぶ材料になる
  • WanGP本体はCommunity License 2.0。生成物の直接販売・独立した納品物のライセンス提供ではWanGPへのクレジット条件と元モデルの利用条件を確認し、有料SaaS・API・ホワイトラベル化などには別許可が必要

公式サイト

各リンクから、配布元のファイルや説明を開けます。