仕事・ビジネス分析

SalesforceとHubSpotのAI選び|CRMデータ・権限・追加費用を比較

SalesforceとHubSpotのAI選び — CRMデータ・権限・追加費用を比較
目次

営業AIの紹介を見ると、新しいCRMへ移った方が仕事も進みそうに感じますよね。でも、顧客や商談の情報を移し、慣れた手順まで作り直す前に試せることがあります。すでにSalesforceかHubSpotへ顧客・商談情報を集めているなら、まずそのCRM上で目的の仕事を一つ試すことを勧めます。AIの回答だけが良くても、必要なデータを参照できなかったり、更新権限を管理できなかったりすれば業務には使いにくいからです。

AgentforceとBreezeを比べるなら、自社の一件を、必要なデータと権限で最後まで進められるかを見てみましょう。その操作を月に何回行うかが分かると、席料金だけでは見えないAI利用料も計算できます。

かがり

AIを使うために、今までの顧客データを全部引っ越すの? それだけで大仕事よ……。

ロコ

まずは今のCRMで一つの仕事を試そう。何が足りないか分かってからなら、移行する価値も比べられるんだよ。

今のCRMで、毎週する仕事を一つ試す

「営業を効率化する」では広すぎるので、今週も繰り返す仕事を一つ選んでみてください。たとえば次のような作業です。

  • 商談の要約
  • 次に連絡すべき顧客の抽出
  • メール文案の作成
  • 問い合わせへの自動応答
  • CRMレコードの更新
  • 見込み客への接触候補の提示

このうち一つを現在のCRMで実現できれば、移行せずに効果と費用を調べられます。反対に、必要なデータが別システムへ分散し、権限管理も要件を満たさず、CRM運用そのものを変えたいなら、乗り換えを含めて比較する理由があります。

その仕事に必要な資料と、許す操作を決める

商談を要約するなら、商談レコードだけで話がつながるでしょうか。担当者がメールや会議記録も読んでいるなら、AIにもその情報を渡せるかが選ぶ条件になります。データごとに読み取りと更新を分けると、契約・設定で確認する範囲が明確になります。

データ・操作 確認すること
連絡先 誰の情報を参照できるか
商談 要約だけか、更新まで許可するか
メール 本文をAIへ渡す範囲
活動履歴 電話、会議、タスクを参照するか
ファイル 提案書や契約書を扱うか
CRM更新 自動更新か、人の承認後か

担当者が直接は見られない商談を、AI経由では取得できる状態にしないことも確認します。管理者が利用者、接続データ、権限、監査ログをどこまで制御できるか、利用を止める手段があるかを、採用する構成で確かめてください。

自動更新は小さい範囲から始める

要約や下書きは、読む人が結果を確認できます。一方、メール送信や商談ステージ変更は、そのまま顧客や営業活動へ影響します。最初の試験では、自動化する範囲を次のように分けます。

  1. 読み取りだけ
  2. 要約・提案
  3. 人の承認後に更新
  4. 条件を限定した自動更新
  5. 外部顧客への自動アクション

最初は読み取りと要約で、違う顧客の情報を混ぜないか、必要な活動履歴を拾えるかを見ます。ここが安定してから更新へ進めば、原因も追いやすくなります。更新を許す段階では、誰が承認し、誤ったときにどこで止めるかも一緒に試しましょう。

商談要約なら、顧客名、直近の合意、残った宿題を元の活動履歴へ戻って照合します。履歴にない約束を足したり、失注した案件を次の連絡候補へ混ぜたりするなら、送信や更新の自動化へ進む前に、参照する範囲を見直します。読み取りの試験で見つかった不足を直せるかが、既存CRMを続けるかを判断する材料になります。

Salesforce Agentforceは利用量の設計が重要

仕事を一度通せたら、内部で何回の処理が動いたかを請求単位へ置き換えていきます。Salesforceの日本向け公式料金には、Flexクレジット、会話単位、ユーザーライセンスなど複数の方式があります。

日本向け掲載値は、100,000 Flexクレジットあたり60,000円、会話1件240円、Agentforceユーザーライセンスは1ユーザー月600円です。ユーザーライセンス利用時にもFlexクレジットが必要です。CRM本体やData 360などの料金はこの単価に含まれません。

標準・カスタムのAgentforce Actionは1回20クレジット、Voice Actionは30クレジットなど、操作で消費量が変わります。一つの依頼に複数のアクションが必要なら、その実行回数を数えます。席数だけを掛けた月額では、AI利用分まで見積もれません。

Salesforceの課金方式だけを理解する例

以下は日本向け公開単価(2026年10月24日再確認)による、架空のアクション数の例です。HubSpotの後の例とは仕事が異なります。たとえば1件に標準アクションを3回使い、月1,000件処理するなら、3×20×1,000=60,000クレジットです。掲載単価の比例換算は60,000÷100,000×60,000=36,000円。これは消費分の換算額で、100,000クレジットの事前購入なら購入時の支払いは60,000円です。余った40,000クレジットを翌契約期間へ繰り越せるとは扱いません。

会話単位の月1,000件なら240,000円ですが、同一組織で会話型とFlex型を同時には使えず、対象用途も異なります。単価だけを並べて安い方を全用途へ適用する比較は避けます。

HubSpotは、アカウントの共有枠と必要な機能を確認する

HubSpot Sales Hubでは、有料プランにHubSpot Creditsが含まれます。以下の旧Sales Hub契約を前提とした料金例では、Starterが500、Professionalが3,000、Enterpriseが5,000クレジットです。

この枠は契約アカウントの月次枠で、席数倍にはしません。複数のHubを契約しても枠を足し合わせず、対象となる最高の枠が適用されます。未使用分は翌月へ繰り越せず、足りない分は追加購入の条件を確認します。

共有枠だけでは月額を出せないので、使いたいエージェントごとの消費量も見ます。料金例が参照した製品カタログでは、Customer Agentは解決した会話1件50クレジット、Prospecting Agentは1リードへの推奨アウトリーチ100クレジット、Data Agentは処理内容に応じた消費と案内されています。使えるエージェントは対象Hub・プランの条件にも依存します。クレジットだけを買っても、すべての機能が使えるわけではありません。

さらに、新規のProfessional/Enterpriseでは必須の初期オンボーディング費を別に見積もります。標準の一時費用、個別契約、外部導入支援を分け、毎月の席料金・利用料金へ混ぜないようにします。

費用は小さな試験で測る

利用料を自社の予算へ直すときは、デモの回数ではなく、本番で繰り返す営業処理を小さな範囲で通してみましょう。たとえば10人の営業担当がいるなら、1週間分の利用を想定して、次の回数を記録します。

  • 商談要約の回数
  • 見込み客への提案回数
  • 顧客対応の会話数
  • CRM更新アクション数

記録した回数に、選ぶプランのクレジット消費や従量単価を当てはめます。人の確認・修正時間も一緒に残してください。たとえば下書きがすぐ出ても、毎回顧客情報を調べ直すなら、その分はまだ仕事として終わっていません。

HubSpotの課金方式だけを理解する別の例

ここでは従来のHub別料金体系で、Sales Hub ProfessionalのSalesシートを10人へ割り当て、Customer Agentをライブチャットで使い、Prospecting Agentでアウトリーチを提案する構成に絞ります。Customer Agentの公式対象プランにはSales Hub Professionalが含まれ、Prospecting Agentの公式対象プランにも含まれます。この例ではService Hubの追加契約を前提にしません。

Customer Agentには編集権限と割り当て済みシート、接続済みライブチャットが必要です。Prospecting Agentの管理・割り当て権限と、両機能が使うAI・データアクセス設定も有効にします。Prospecting Agentには既存の20リードを手動登録し、有料のIntent監視などは使いません。追加の有料チャネルや外部連携は使わず、無料試用が終わった通常利用を計算します。

月の利用を、テキストの解決済み問い合わせ80件、アウトリーチ推奨20リードと仮定します。この料金条件の消費単位なら80×50+20×100=6,000クレジットです。

請求項目 Sales Hub Professionalを10席、年払いする例
席料金 90ドル×10席=月換算900ドル
月次クレジット アカウントに3,000。10席でも30,000にはしない
超過分 6,000−3,000=3,000クレジット
追加利用の換算額 3,000×0.010ドル=30ドル
月の小計 900+30=930ドル
必須の初回オンボーディング 1,500ドル
初年度小計 900×12+30×12+1,500=12,660ドル

2026年10月19日確認の米ドル公開価格による、税・為替・外部導入支援を含めない計算例です。Professionalの年払いは年額10,800ドルであり、月900ドルずつ決済するという意味ではありません。追加クレジットはパック購入かPay-as-You-Goを選ぶため、30ドルは超過3,000クレジットを従量払いした額です。この表は追加利用をPay-as-You-Goで支払う場合です。パック購入を選ぶ場合は、必要パック数と購入額で小計を計算し直します。

かがり

じゃあ、この二つの金額を見ても、どっちが安いかは決められないの?

ロコ

今は違う仕事の例なんだよ。自社の同じ商談や問い合わせを使って、必要な契約と処理回数をそろえてから比べよう。

Salesforceの36,000円とこの930ドルは、処理も通貨も含む費目も違うので、製品の安さランキングには使えません。自社と同じCRM・同じ業務一件へ換算して初めて比較できます。

同じ商談要約100件を、既存CRMへ追加するなら

比較範囲を「既存CRMを維持し、営業担当10人が月100件の商談要約を作る」に固定します。入力は架空の商談レコード、そこへ記録済みの活動・メモ、参照権限は担当者が元から読める範囲です。AIが要約したあと、人が元記録と照合して承認し、通常のCRM操作で承認した要約だけをメモへ保存できれば完了とします。AIによる自動更新・メール送信、外部会議録の取り込み、次アクションの自動生成は含めません。

SalesforceにはSummarize Record、HubSpotには商談を含むレコード要約の公表機能があります。Salesforceは対象Edition・Foundations等と権限、HubSpotは利用プランとAI・CRMデータ設定を照合します。要約できるという仕様と、この架空入力で正確に終えられるという実証は別です。

下表は両方の既存環境が必要なCRM席を10人分持ち、変更しない仮定です。CRMの新規導入費は含めません。人の単価は両構成とも4,000円/時間と置き、設定8時間、連携0時間(外部接続なし)、月次の権限・利用確認2時間、1件の照合・手動保存3分とします。工数は実測ではありません。

同じ100件・10人の費目 Salesforce側 HubSpot側
既存CRM基本契約の増分 0円。既存Editionが要約の要件を満たす仮定 0円。既存契約・席で要約する仮定
必要な追加AI席 既存の利用権でSummarize Recordが使えるか確認待ち。600円の別ライセンスを10席へ機械的に加えない レコード要約は全プラン向けの案内あり。追加Sales席は0席の仮定。既存席の権限は確認する
AI利用の単位 Flex方式なら標準アクションは20クレジット。レコード特定等を含む1件の実行数は未確定 この例はBreezeのレコード要約。Customer Agentの50やProspecting Agentの100クレジットを流用しない
含有枠・超過分 既存契約の残枠と購入方式を確認待ち。公表単価は100,000クレジット60,000円 カタログはCore席にBreeze Assistantを含むと案内。要約100件に別の課金があるか、契約条件で確認待ち
初期設定 8時間 × 4,000円=32,000円 同じ仮定で32,000円
外部連携 使わないので0円・0時間 同左
月次の運用確認 2時間 × 4,000円=8,000円 同じ仮定で8,000円
月100件の人の確認・保存 100 × 3分 ÷ 60 × 4,000円=20,000円 同じ仮定で20,000円
確定できる仮定費用の小計 月28,000円、初年度368,000円+未確定のAI契約・利用費 月28,000円、初年度368,000円+契約確認後の追加費

初年度の工数評価額は32,000+(8,000+20,000)×12=368,000円です。既存CRMの支払額や税、実見積もりは含まないため、この小計だけで導入総額や安さの順位は決まりません。両社のクレジットを相互換算せず、追加料金が未確認の欄を0円として合計しません。

確認先へ渡す質問も、この仕事の範囲へ絞れます。

  • Salesforce:「既存のEditionと権限で、商談レコードと活動・メモの要約を10人が月100件使えますか。必要な追加利用権、1件の対象アクション、含有枠、超過単価と購入最小額は何ですか」
  • HubSpot:「既存の席でBreezeの商談レコード要約を月100件使い、人がメモへ保存する場合、別のAI席・クレジット消費・利用上限がありますか。活動・メモの参照範囲は同じですか」

公表範囲では両方に要約の入口があります。既存CRMでその入口を使えるか、参照範囲と未確定費目を確認するところから始めれば、CRM移行や別業務のエージェント契約を急がずに済みます。この記事の比較は公表範囲までで、販売会社への問い合わせや実テナントでの確認は行っていません。

CRM移行を伴うならAI料金より大きい費用が出る

現在のCRMでは必要な情報や操作をどうしても扱えず、乗り換えも検討するなら、ここで比較する範囲を広げます。AI料金の差に加え、次の作業がどれだけ発生するかを書き出してください。

  • 顧客・商談データの移行
  • カスタム項目の作り直し
  • ワークフローの再構築
  • メール・カレンダー連携
  • 外部システムとの接続
  • 権限設計
  • 利用者の教育
  • 移行中の二重運用

月々のAI利用料が下がっても、移行にかける時間や外注費がそれを上回るかもしれません。初期費用と月次費用を分け、「今できない何を可能にするための移行か」を添えて比べましょう。今のCRMでも目的を満たせるなら、その移行費をかけずに始める理由になります。

既存CRMで足りるなら継続、新規なら営業の運用から選ぶ

Salesforce中心の営業プロセスなら、必要なデータと権限をAgentforceで扱えるかを最初の試験にします。HubSpotを使っているなら、BreezeやSales HubのAI機能で同じ問いを確かめます。既存CRMの上で目的を満たせれば、移行作業を増やさずに始められます。

新規導入なら、まず標準的な商談管理で始められる小さな営業チームはHubSpotを候補にします。大量の独自項目・承認フローや複数部門の細かい権限が必須で、Salesforce運用を担当できる組織ならSalesforceを候補にします。次の順に、必要な機能が実際に含まれる契約まで絞ります。

  1. CRMとして必要な機能
  2. データと権限
  3. 既存システムとの連携
  4. AIで自動化したい操作
  5. AI利用量を含む総費用
  6. 管理者が停止・監査できるか

試験後は、参照できなかったデータ、使えなかった操作、予想より多かった消費を、契約前の質問に変えてください。「この商談要約には会議記録も必要だが、この構成で読めるか」のように尋ねると、自社の仕事に必要な回答を得やすくなります。一件を最後まで進められ、その費用と管理方法を説明できた候補を残しましょう。

ほかの業務AIも含めて候補を絞る場合は、まず顧客対応、社内文書、営業支援のどこで使うかを決め、既存データを渡せる範囲と人が承認する操作をそろえて比較してください。

まとめ

  • 既にSalesforceまたはHubSpotを使っているなら、AI機能だけを理由にCRM全体を移行する前に既存データと権限で目的を満たせるか確認する
  • Salesforce AgentforceはFlex Creditsや会話数、ユーザーライセンスなど複数の課金方式があり、利用量の見積もりが必要
  • HubSpot Sales Hubは有料プランにHubSpot Creditsが含まれ、Customer AgentやProspecting Agentなどが利用量に応じてクレジットを消費する
  • 比較では商談・連絡先・メール・活動履歴の参照範囲、更新権限、監査、管理者の停止手段を確認する
  • CRM移行を伴う場合はAI料金だけでなく、データ移行、ワークフロー再構築、教育、連携のやり直しまで含める

用途に合う候補の公式条件を確認する

本文の判断条件に合う候補です。契約・利用前に、現在の提供範囲、料金、利用枠、解約・更新条件を公式ページで確認してください。

Salesforce Agentforce

Salesforceのデータと権限を維持してAI導入を試す営業組織

価格は販売先で確認

申込前の確認

向く条件
既存Salesforceの営業処理へAgentforceを小さく追加する。
確認点
購入方式、席、利用量、データ権限、移行不要の利点を確認する。
公式サイトSalesforce

HubSpot Sales Hub

HubSpotの営業データを保ち、席とAIクレジットを管理する会社

価格は販売先で確認

申込前の確認

向く条件
既存Sales Hubの席・クレジットへAI機能を追加したい。
確認点
Starter/Professional/Enterprise、席、クレジット、初期費用を確認する。
公式サイトHubSpot

掲載内容は確認日時点の情報です。購入・申込条件はリンク先の最新表示で確認してください。