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SD1.5・SDXL・Stable Diffusion 3.5の違い|代表Checkpointと世代差を整理

SD1.5・SDXL・Stable Diffusion 3.5の違い — 代表Checkpointと世代差を整理
目次

Stable Diffusionのモデルを探すと、SD1.5、SDXL、SD3、SD3.5という名前が出てくる。

さらにその上に、アニメ向けCheckpoint、実写向けCheckpoint、各種の派生モデルやLoRAが並ぶ。

すると「一番新しい世代を入れれば全部解決する」と考えたくなる。

しかし、ローカル画像生成ではそう単純ではない。

世代が変わると、モデルのアーキテクチャだけでなく、使えるLoRA、必要な構成要素、得意な解像度、サンプリングの前提、必要メモリ、周辺ワークフローまで変わる。

SD1.5、SDXL、Stable Diffusion 3.5をアーキテクチャ、軽さ、既存資産の違いとして並べた世代比較図

図を拡大して見る

図1:矢印は新しい世代を示すだけで、LoRAやCheckpoint、最適設定まで引き継げる上位互換を意味しない。

世代 位置づけ 代表的な特徴 ローカル運用で重要な点
SD1.5 旧世代の定番 比較的軽量、512系で広く使われた 過去のCheckpoint・LoRA・ワークフロー資産が多い
SDXL 1.0 大型化した潜在表現拡散世代 2種類のテキストエンコーダー、Base + 任意のRefiner SDXL向けのCheckpoint・LoRAとして扱う
SD3.5 アーキテクチャが大きく変わった世代 MMDiT系、複数サイズ、Turbo SD1.5 / SDXLとは別の生成構成として確認する

SD1.5は「古いから使う意味がない」わけではない

Stable Diffusion v1.5は、v1.2の重みを初期値として追加学習された世代だ。

現在参照できる旧モデルカードのミラーには、595,000ステップを512×512解像度で追加学習した履歴が残っている。

現在の基準から見ると小さい解像度だが、ローカル用途では軽さが意味を持つ。

同じGPUでも、より重い世代よりバッチを増やしやすい、大量生成へ回しやすい、古いワークフローを維持しやすい、といった選択肢がある。

さらに長く使われた世代なので、SD1.5向けに作られたCheckpoint、LoRA、Embedding、ControlNet系ワークフローなどの既存資産がある。

したがって「SDXLが出たからSD1.5は不要」「SD3.5が出たからさらに不要」という整理は正しくない。

SD1.5の定番設定を新世代へそのまま持っていかない

SD1.5を長く使っていると、自分の定番ができる。

特定の解像度、サンプラー、ステップ数、CFG、Negative プロンプト、Hires.fix倍率などだ。

しかし、その設定がSDXLやSD3.5でも最適だという根拠にはならない。

モデルのアーキテクチャも学習方法も異なるため、世代を変えたらまず作者や公式ワークフローの前提へ戻る。

設定の比較方法そのものはComfyUIのシード・ステップ数・CFG・サンプラーは何が違う?で整理している。

SDXLは単にSD1.5を高解像度化しただけではない

SDXL 1.0は潜在表現拡散の流れを継ぎながら、モデル構成を大きく拡張した。

Stability AIのSDXLモデルカードでは、OpenCLIP-ViT/GとCLIP-ViT/Lという2種類のテキストエンコーダーを使う構成が説明されている。

さらにBaseで生成し、必要なら後半をRefinerへ渡す二段構成を取れる。

重要なのは、RefinerがないとSDXLが動かないわけではないことだ。

Base単体でも生成できる。

Refinerを追加する意味、追加の読み込み、生成時間まで分けて判断したい場合はSDXL BaseとRefinerはどう使い分ける?で扱っている。

SDXL向けLoRAはSD1.5向けLoRAの高解像度版ではない

LoRAという方式名が同じでも、学習対象となったベースモデルが違えば互換性を前提にできない。

SD1.5用LoRAをSDXLへ入れる、SDXL用LoRAをSD3.5へ入れる、といった使い方を「同じsafetensorsだから」と判断しない。

配布ページでは、Base ModelModel Version、対象アーキテクチャ、推奨Checkpoint、Trigger wordなどを確認する。

Checkpoint・VAE・LoRAの役割から整理したい場合は、ComfyUIのチェックポイント・VAE・LoRAは何が違う?へ進む。

代表的なCheckpointを見ると世代差が分かりやすい

「SD1.5とSDXLは何が違うか」をアーキテクチャ名だけで覚えるより、実際にどのようなCheckpointが作られてきたかを見る方が分かりやすい。

ここで挙げるのは品質ランキングではなく、ベースモデルから用途別のCheckpointが派生する例だ。

ベース Checkpoint / モデル例 位置づけ
SD1.5 Stable Diffusion v1.5 世代の基準になるベース
SD1.5 DreamShaper 8 SD1.5からファインチューニングされたアート・汎用系の例
SD1.5 Realistic Vision V6.0 B1 SD1.5系列の実写系Checkpointの例
SDXL SDXL Base 1.0 SDXL世代の公式ベース
SDXL Juggernaut XL v9 SDXLを土台にした実写系Checkpointの例
SDXL Animagine XL 4.0 SDXL 1.0から再学習されたアニメ系Checkpoint
SDXL系 Illustrious XL v1.0 SDXLアーキテクチャを土台にしたイラスト・タグ生成系の例
SD3.5 Medium / Large / Large Turbo 同じSD3.5内でも規模と生成前提が異なる公式モデル

DreamShaper 8のモデルカードは、Stable Diffusion v1.5からファインチューニングされたモデルであることを明示している。

Animagine XL 4.0もStable Diffusion XL 1.0から再学習されたアニメ向けモデルだ。Illustrious XL v1.0はSDXLアーキテクチャ上に構築され、タグベースと自然言語を組み合わせるイラスト生成系として配布されている。

Juggernaut XL v9はSDXLの実写系Checkpointとして単一の.safetensorsも配布され、ComfyUIやForgeで読み込める構成が案内されている。

ここから分かるのは、「SDXLを使う」だけでは最終的な生成傾向は決まらないということだ。

同じSDXLでも、公式Base、実写系、アニメ系、イラスト向け基盤ではプロンプトや推奨設定、組み合わせるLoRAまで変わる。

逆に、使いたいCheckpointが先に決まっているなら、そのCheckpointのベースモデルからSD1.5かSDXLかを選ぶ方が自然だ。

Stable Diffusion 3.5はさらに構成が変わる

Stable Diffusion 3.5は、SDXLをそのまま大型化しただけの世代ではない。

Stability AIはStable Diffusion 3.5 MediumをMMDiT-Xアーキテクチャの2.5Bパラメータモデルとして説明している。

Stable Diffusion 3.5 Largeは8.1Bパラメータで、Large TurboはLargeの蒸留版として提供されている。

同じSD3.5という名前でもLarge、Large Turbo、Mediumでモデル規模やサンプリングの前提が異なる。

たとえばLarge Turboは4ステップ生成を特徴としている。

そのため「SD3.5のおすすめステップ数」という数字を一つだけ出して全種類へ当てはめるのは雑になる。

LargeとMediumをローカルPCでどう選ぶかはStable Diffusion 3.5 LargeとMediumはどっち?で個別に扱っている。

SD3.5 MediumのVRAM例は条件を読む

Stability AIはSD3.5 Mediumについて、9.9GB VRAMという実行例を示している。

ただし、この値はテキストエンコーダーを除く条件だ。

一つの公式値だけを見て「10GBのGPUなら、どのWebUIでも全ワークフローが余裕で動く」と一般化してはいけない。

実際の最大VRAM使用量は、

  • テキストエンコーダーの配置
  • 演算精度
  • オフロード
  • VAE
  • 解像度
  • バッチ数
  • 追加モデル
  • UI / 実行基盤

などでも変わる。

GPU選びは画像生成用GPUのVRAMは8GB・12GB・16GB・24GBで何が変わる?へ分けて考える。

「新しい世代 = 自分の用途で一番高品質」とは限らない

ベースモデルの一般性能が向上していても、実際に使いたいものがコミュニティの派生モデルや特定LoRAなら判断は変わる。

たとえば特定のイラスト表現を作りたい場合、一般的な指示追従性だけでなく、

  • 好みのCheckpointがあるか
  • 必要なLoRAがあるか
  • その系列のプロンプトやタグ運用に慣れているか
  • ControlNetなどの補助ワークフローを使えるか
  • 自分のGPUで十分な速度が出るか
  • 大量生成しやすいか

も重要になる。

モデルは「一番新しいベースモデルを選べば終わり」ではない。

何を基準に選ぶか

SD1.5を選ぶ理由

軽さ、既存のSD1.5向け資産、過去ワークフロー、特定CheckpointやLoRAを使いたい。

SDXLを選ぶ理由

SDXL向けのCheckpoint・LoRAを使いたい。Baseだけ、または必要に応じてRefinerを組み合わせたい。

SD3.5を選ぶ理由

Stability AIの新しいアーキテクチャを使いたい。SD3.5向けのワークフローや追加学習資産を前提に新しい環境を作りたい。

この3つは排他的でもない。

GPU容量やストレージが許せば、複数世代を同じPCに置き、用途ごとに切り替えてもよい。

Stable Diffusion以外も含めて選ぶなら別の比較になる

ここまでの話はStable Diffusion内部の世代差だ。

FLUXやQwen-Imageまで含めると、比較するアーキテクチャや実行方法、ライセンス、必要ファイルがさらに変わる。

画像生成モデル系列全体から選びたい場合は、Stable Diffusion・SDXL・FLUX・Qwen-Imageはどう選ぶ?へ進む。

最初に見るのは「ベースモデル」

CivitaiやHugging Faceなどで魅力的なCheckpointやLoRAを見つけたとき、サンプル画像だけでなくベースモデルを見る癖をつける。

そこが分かれば、

  • どのLoRAと組み合わせられるか
  • どのワークフローを探すべきか
  • どの解像度・サンプリング情報を参考にできるか
  • どの程度のGPUメモリを想定すべきか

がかなり絞れる。

SD1.5、SDXL、SD3.5は、同じStable Diffusionという名前でつながっている。

しかし、ローカル運用では「同じ設定を使える連続した上位互換」ではない。

新旧だけでなく、使いたいCheckpoint・LoRAと実行条件から世代を選ぶ方が失敗しにくい。

まとめ

  • SD1.5、SDXL、SD3.5は同じモデルのサイズ違いではなく、構成や前提が異なる世代なので設定や追加学習資産をそのまま共有できない
  • SD1.5にはDreamShaper 8やRealistic Visionのような派生Checkpointがあり、軽さと長年の既存資産が現在も意味を持つ
  • SDXLにはJuggernaut XL、Animagine XL、Illustrious XLなど用途の異なるCheckpoint・派生エコシステムがある
  • SD3.5はMMDiT系の新世代で、Large 8.1B、Medium 2.5B、Large Turboなど複数の種類があり、SDXLのCheckpoint差し替えと同じ感覚では扱わない
  • 世代だけで品質順位を決めず、使いたいCheckpoint・LoRA、ワークフロー、VRAM、生成速度まで含めて選ぶ
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