3B・4Bと7B・8BのローカルLLMはどう選ぶ?

目次
3B・4Bと7B・8Bの違いは、まずモデルのパラメータ規模にある。
ただし、「8Bは4Bの2倍賢い」「4Bなら8Bの半分のVRAMで必ず動く」といった換算はできない。
アーキテクチャ、学習内容、追加学習、量子化、コンテキスト長、実行環境なども異なるからだ。
選ぶときは、小さい候補から自分の用途を満たすか試し、足りない点が見えたら7B・8Bも同じ条件で比較すると分かりやすい。
図: 主な比較軸を1枚に整理。細かな条件は本文と表で確認する。
まず必要な機能で候補を絞る
同じ3B・4B帯でも、モデルごとに機能や設計は違う。
例として、Phi-4-mini-instructはMicrosoftが3.8Bとする指示向けモデル、Gemma 3 4B ITはGoogle DeepMindの4Bクラスのモデルだ。Gemma 3 4B ITは画像入力にも対応するマルチモーダルモデルとして配布されている。
そのため「4Bならどれでも同じ」とは考えず、先に次を確認する。
- テキストだけでよいか、画像入力も必要か
- ツール呼び出しを使いたいか
- ライセンス条件が用途に合うか
- 使用する実行環境で必要な形式を扱えるか
- 日本語やコードなど、自分が重視する用途は何か
必要機能を満たさないモデルは、サイズ比較の前に候補から外せる。
まず3B・4B候補で不足点を記録する
小さいモデルを先に試す理由は、「小さい方が必ずよい」からではない。自分の用途を満たせるなら、より大きなモデルを使う必要がない可能性があるからだ。
同じ質問セットを使い、たとえば次の不足を記録する。
- 指示した条件を落とす
- 長い文章の要約で重要情報を落とす
- コード生成で指定した形式を守れない
- 日本語の自然さや正確さが用途に足りない
- 必要な機能が安定して使えない
不足が具体的に見えれば、次に比較する理由ができる。
7B・8Bへ上げる理由は実際の差から作る
Qwen2.5-7B-Instructは約7.61Bのパラメータを持つ。3B・4B帯より規模は大きいが、それだけで自分の用途に必ず優れるとは決めない。
3B・4B候補と同じ質問、同じ実行条件で試し、必要な品質差があるかを見る。
差が自分の作業に重要なら7B・8Bを残す。差が小さく、軽い方で十分なら3B・4Bを残せる。
必要メモリはB表記だけでは決まらない
同じ7B規模でも、BF16、GGUF Q4、Q5、Q8など配布形式・量子化によってファイル容量は変わる。
さらに実行時には、KV cache、コンテキスト長、使用するバックエンド、GPUオフロード量なども関係する。
比較するときは少なくとも次をそろえる。
| 項目 | そろえるもの |
|---|---|
| モデル | 正確なモデル名・リビジョン |
| 配布ファイル | 形式・量子化 |
| コンテキスト | 同じ長さ |
| 実行環境 | 同じバージョン・バックエンド |
| 配置 | GPUへ全部載せるか、一部をCPUへ置くか |
| 用途 | 同じ質問セット |
配布ファイル容量をそのまま最大VRAM使用量とは扱わない。
速度も同じPC・同じ条件で比べる
小さいモデルは軽快に動くことが多いが、別のGPUや別の量子化で測った結果を混ぜれば、モデル規模だけの比較ではなくなる。
自分のPCで比べるなら、同じ実行環境、コンテキスト長、質問、出力量を使う。
必要ならtokens/sだけでなく、最初の文字が出るまでの待ち時間や、回答をやり直す回数も記録する。
最後は2〜3候補を同じ質問で比べる
選び方は次の順でよい。
- 必要機能とライセンスで候補を絞る
- まず3B・4B帯から1〜2モデル試す
- 同じ質問セットで不足点を記録する
- 7B・8B帯を同じ条件で試す
- 必要な品質差があれば大きい方を残す
- 差が不要なら軽い方を残す
「8Bだから上位」ではなく、自分の用途で差が必要かどうかで選ぶ。
具体的な小型モデルの仕様を見る場合は、Gemma 3 4B ITやPhi-4-mini-instructを確認できる。モデル名のB・MoE・量子化の読み方は、ローカルAIのモデルサイズ表記の読み方で整理している。
まとめ
- 3B・4Bと7B・8Bはパラメータ規模の目安であり、数字だけでは品質・速度・必要メモリは決まらない
- まず必要な機能とライセンス、使用する実行環境への対応で候補を絞り、小さいモデルから自分の用途を満たすか確認する
- 7B・8Bへ上げる価値は、3B・4B候補で不足が見え、同じ条件で必要な品質差を確認できたときに判断する
- 比較ではモデルのリビジョン、配布形式・量子化、コンテキスト長、実行環境、質問セットをそろえる
この記事で扱ったデータ
モデル・GPU・実行ソフトの確認済みデータを、記事とは別に確かめられます。